金メダルを懸けた駆け引きは開始早々から始まっていた。打線の主軸、3番・山田は一回、1度もバットを振らずに見逃し三振を“選択”した。
「駆け引きでどんな球が来るかを見極めたんです」。四回の2打席目には、決勝点となる本塁打をセンターにたたき込んだ。「(わざと)ドロップを空振りして、次のライズボールを打った」。上野にかかる重圧を和らげた一発は、研究のたまものだった。
相手投手は上野クラスが3人、こっちは一人。打線もマニー・ラミレスみたいなヤツが居るし、過去の実績からいってもどう考えても不利。しかし私は勝てそうな予感があった。「予選リーグ全勝すると負けるの法則」があったからね。確かシドニーは逆の立場だったし、WBCもそう。負けるんだよ。法則の神よ、ありがとう。
さて、今度は野球です。予選リーグ全勝すると負ける。我が日本は見事に4位。それも1位から4位まで、組み合わせ決定を除けば等価。さあ優勝。