例えば10人居る状況で、誰か一人だけケーキを食べることができるとする。5人程度ならジャンケンで決めればよいのだろうが、10人では延々アイコで決まらないだろう。かといってアミダくじ作るのは面倒だ。そこで、まずは何人か減らすために「おいもんがっち」をする。
「おいもんがっちでホーホーホイ」の掛け声に合わせて全員で一斉にグーかチョキかパーを出す。そのうち、最も人数の多かったグループが勝ち抜けて、ほかの2グループが負け。多分関西特有の呼び方だろうと思うが、同様のものは全国であるはずだ。
私の小学生時代は「おいもんがっち」をするとき、一つの暗黙の了解というか、お約束があった。仕切り役が掛け声を発するとき、「おいもんがっチィーでホーホーホイ」という風に、「チー」の部分を強調するのだ。チー、つまり「俺はチョキを出すから皆乗ってくれ」という合図なのである。毎度のことだから当然みなチョキを出す。しかし単にどんくさいのか馬鹿なのか、何度やってもパーかグーを出すヤツが2人ほど居るのである。
10人中8人がチョキを出しているのに、その2人だけ「あー、負けた」とか言ってんの。2年間ずっと。小学校卒業してそれっきり会っていないが、彼らがこの世の中を無事に生きていけてるのか今も気にかかる。